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?武威
・武威市
人口88万人、面積5,081km2。河西回廊の東の玄関口、昔は涼州と呼ばれた国家級の歴史文化の有名な町で、中国観光のシンボルマークとなっている銅奔馬はここから出土したもの。雷台漢墓、海蔵寺、犬梯山石窟等の見所がある。
・古鐘楼
唐の時代に築かれたと言われているが、現存する鐘楼は清の時代に改修されたものである。大雲寺銅鐘と呼ばれているが、大雲寺は1927年の地震で倒れ現在はない。台座は高さ20m。鐘の高さは2.4m、厚さ10cmの雄大なものである。
・鳩摩羅什塔
後秦(384年〜417年)の高僧、鳩摩羅什(くまらじゅう)がこの地に大乗仏教を伝え、その死後その舎利がこの塔に納められたという。1927年の地震で半壊し、1934年に修築されている。
・雷台漢墓
明の時代にここの廟に雷神を祭ったことから命名された。1969年10月に後漢末期の墓が発掘された。出土品は230点余りであるが、中でも飛燕を踏む青銅の奔馬(馬蹄飛燕)は実に見事な造形で、今や中国の観光事業のシンボルマークにも使われている。高さ8.5mの土台に、三星殿、雷神殿、七星殿等が建っている。
・海蔵寺
晋代の建造物であるが、改修を重ね明の無量殿、清の大雄宝殿等が残っている。境内には公園があり、池にはボートがある観光地である。

 

?蘭州
・蘭州市
蘭州市は甘粛省の省都。人口260余万人、総面積は14,620km2。三県五区に分けられている。昔のシルクロードは東から西に甘粛省を通り抜け、蘭州はその重要な要衝となっている。蘭州市の平均海抜は1,500m、南北に山があり、黄河が市の中心を流れるという自然条件かあり、そのため蘭州の気候は独特で、冬はそれほど寒くなく、夏は酷暑が無い。
・甘粛省博物館
石器時代から明代迄、各時代ごとに出土品が展示されている。中でも河西回廊東端の磨咀子漢墓から出土した加彩木製の牛車や牛革は二千年前のもので、当時の農耕社会を物語っている。漢王朝の墓から出土したシルクロードと密接な関係のある「馬蹄飛燕」の銅奔馬を始め、重要な収蔵品が4,200点位の文物と20,000枚以上の漢代の木簡である。銅奔馬は武威にある後漢時代の将軍の墓から出土した有名なもので、高さ34cm、長さ45cm、三本の足は空に躍り、一本の足は鳥を踏み、飛ぶ鳥よりも速い奔馬を象徴している。館内には漢の長城の城堡や狼煙台から出土したものもあり、シルクロード歴史を研究する上で貴重な資料である。

 

 

 

 

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